豊田善補氏

譲渡企業:株式会社アクアフォレスト
  譲受企業:上場介護系システム大手のコンサルティング子会社

EXITを経て自身のスタイルを確立

株式会社パソナ→株式会社ジャパン・インキュベーション・キャピタル→株式会社エス・エム・エスを経て独立。人材領域で培った高いノウハウを生かし、関東エリアで介護・看護領域の人材紹介事業を展開。高い収益性を担保したビジネスモデルを構築して、上場企業関連会社へ売却。現在はHR産業の次世代型エコシステムを作りながら転職支援や投資・M&A・経営支援。国外ではバングラデシュと中国で不動産&金融投資。人生経験やビジネス知見のデジタル図書館「ユアログ」を運営

譲渡企業

会社名
株式会社アクアフォレスト
経営期間
2005年12月~2015年3月
事業内容
■医療・介護に特化した転職支援サービス ■医療・介護業界法人向けウェブソリューションサービス

譲渡内容

譲渡額
非公開
譲渡範囲
株式譲渡100%

EXITERの経歴

氏名
豊田善補
経歴
1977年生まれ 出身地 京都府城陽市
関西外国語大学 卒業

2001年4月~2002年3月  新卒で株式会社パソナに入社。藤沢支店で人材派遣の営業職として従事
2002年4月~2005年3月  株式会社ジャパン・インキュベーション・キャピタルへ転職。ファイナンスや新規事業立ち上げを1から学ぶ  
2005年4月~2005年12月 株式会社エス・エム・エスへ転職。介護人材紹介CAとして従事
2005年12月~2015年3月 株式会社アクアフォレストを創業。看護介護の人材紹介事業を展開。2015年4月 上場介護系システム大手のコンサルティング子会社へ譲渡
2021年2月~現在     ベイトレイル株式会社を創業。HR全領域を網羅した『オールインワンHR』を展開

会社員時代に培った経験

将来は起業する事を目指していたため、就職先を選ぶにあたって『起業に向けた経験を積める会社』を探していました。
父にいつか起業をしたいと話をしたところ、当時ベンチャー三銃士と呼ばれていた南部靖之氏の著書『自分を活かせ!』を手渡されました。
その本を読み「是非この人からビジネスを学びたい」と考え、株式会社パソナに就職しました。

パソナ入社後は藤沢支店へ配属となり人材派遣の営業として従事しておりましたが、起業に向かって前進している実感を持つことが出来ませんでした。現状を変えなければ起業は難しいと考え、本社に行き南部氏に対して「社長の下で働かせて欲しい」と直談判し、南部氏とソフトバンクの孫正義氏、HISの澤田秀雄氏らが立ち上げた、株式会社ジャパン・インキュベーション・キャピタル(JIC)で働くことになりました。今で言うベンチャーインキュベーションのような会社で、起業家を目指す人を集めてイチから複数の会社を立ち上げました。なかには上場を果たした会社もあります。

JICではファイナンスや新規事業の立ち上げ、サイト構築まで様々な業務に携わりました。
この時、担当していた新規事業の中に『採用直結型インターンシップ』というものがあり、最初に問い合わせを頂いた会社がその後の僕の人生を大きく変えることになる株式会社エス・エム・エスでした。当時は社名も聞いたことがなく、企業サイトはダサいし、「介護?ケアマネってなんだ?」といった印象を感じながら町田駅から離れた場所にある雑居ビルに営業に行きました。

その縁がきっかけで、田口氏(エス・エム・エス創業メンバー)と飲みに行くようになり転職のお誘いを頂きましたが、現職にやり甲斐を感じていたこと、何より南部氏に恩があったのですぐに転職をすることはありませんでした。その後、自身の仕事がひと段落したタイミングで、エス・エム・エスに入社する運びになりました。入社時にはオフィスも麹町に移転し、社員数も30名まで拡大していました。

入社してからは介護人材紹介の営業職として、東京・千葉の全エリアを担当しました。
市況が良く競合が少なかった事もあり、人材の経験もあったことで面白いように成果を出すことができ、トップ営業マンとして活躍することが出来ました。

結果を出していく中で、自身としてはヘルスケアの別領域で人材紹介事業を立ち上げたいという想いが強くなっていきました。
実はエス・エム・エス入社時に将来子会社立ち上げさせてほしいと約束していましたが、会社としてはIPOのスキームに乗るタイミングで先行投資をできない事情がありました。

悩んだ末、経営陣と話し合い、退職して起業する事を決めました。

株式会社アクアフォレスト創業

市況の良さと今までのノウハウを生かす事ができる『介護・看護の人材紹介事業』を始めましたが、起業して半年は鳴かず飛ばずでした。

事業開始から半年が経過した頃に、SEO対策の効果がではじめました。
それを機に売上が伸び、1人では対応が難しくなったため、起業から1年後のタイミングで業界未経験者を採用しましたが、エス・エム・エス入社時に受けた研修を自分なりにアレンジして教育をしたところ、初月から売上を出すようになった事で改めてエス・エム・エスの仕組みづくりは凄いと痛感しました。

会社としては営業エリアを絞って効果的なマーケティングが出来ていたため、収益性の高い経営ができていました。

M&Aを考えた理由

僕が起業した理由の一つに、会社の看板を借りずに自身の能力を試したいという考えがありました。また会社を大きくすることには、最初から興味がありませんでした。

会社が軌道に乗ってからは、高い収益性を確保した経営ができており、個人としても一定の経済的余裕ができました。
僕は色々なことをやりたい人間なので、専門性の高い領域を深堀して事業展開をしていく事に面白味を感じられなくなってきたのが、経営して5年目のタイミングでした。
人材紹介事業と並行して2011年からバングラデシュで不動産や金融事業を立ち上げましたが、そちらの事業では新たな発見が多く、知的好奇心が満たされていくのを感じていました。

バングラデシュの事業を大きくしたいという想いと、ヘルスケア領域の人材紹介を掘り下げたが故の次にいけない感覚。
そのような状況の時にパソナ時代の先輩に相談したところ、M&Aという選択肢があると教えてもらいました。

M&Aプロセス

パソナ時代の先輩からは、「豊田は0→1の人間だから、1→10に伸ばすことが苦痛だろ?」と言われました。
図星でしたね。今は幸か不幸か5ぐらいまではきていると感じていました。ヘルスケア領域の人材紹介ノウハウを欲しがる企業は多いから、そういった企業に一度会ってみてはどうかとアドバイスを頂いたのがM&A検討のキッカケです。

当時の日本ではM&Aに対してネガティブな印象がありましたが、海外ではそういった印象はなく、むしろポジティブに捉えられている事を知りました。その後、M&Aエージェントに依頼して様々な企業の方にお会いしました。リーマンショックの中、エス・エム・エスが急激に成長していたこともあり、同じビジネスモデルで関東エリアに絞って収益性を担保している当社に対して、様々な企業から問い合わせがありました。景気の影響を受けないヘルスケア領域に対して人材会社からIT企業、有名企業に至るまで、どこの企業も関心を持っていました。何よりエス・エム・エス出身というネームバリューが、会社を評価してもらう上では大きかったです。

M&Aをすると決めてから半年ほどで『上場介護系システム大手のコンサルティング子会社』に譲渡する事を決めました。

譲渡先に決めた理由

譲渡先を決めた理由は、下記3点です。

・ヘルスケア領域で事業を展開しておりシナジー効果が見込める点
・自由な企業風土がある点
・(譲渡先企業の親会社が上場していたため)社員にとってメリットがある点

会社譲渡後に社員の待遇を上げてくれた事は、今でも感謝しています。

譲渡後の生活について

譲渡後の生活は、以下の4点が軸になっています。

1.会社経営
2.エンジェル投資・支援
3.動画メディアの運営
4.新規事業のネタ探し

1.会社経営について
2011年から始めているバングラデシュの事業を継続しています。
また2021年にベイトレイル株式会社を設立して、HR産業の次世代型エコシステムを作りながらHR転職や投資・ビジネスの総合支援を行う『オールインワンHR』というサービスを展開しています。

2.エンジェル投資・支援
自身の興味がある分野に投資をしています。
エンジェル投資を通じて、当事者意識を持ちながら様々な事業を疑似体験できるのがとても楽しいです。
また経営に関するアドバイスや期間を決めて初期の立ち上げに携わっています。若手経営者が陥りそうな失敗はなるべくしないように、経験のある僕が入ることによってリスクヘッジをすることができています。

3.動画メディアの運営
人生経験やビジネス知見のデジタル図書館「ユアログ」を運営しています。
他人の人生から人生やビジネスの経験値みたいなものをメディアを通じて循環する事によって、社会に対して貢献していきたいと考えています。

4.新規事業のネタ探し
好奇心旺盛でビジネスが大好きです。
『儲かる』、『トレンド』、『これから伸びそうな領域』には特にアンテナを張っています。また自身が考えついたビジネスネタはなるべく周りに話すようにしています。
僕が出来ることは限られているので、そういった発信からそのような分野に取り組んでくれる方がいたら嬉しいです。

自身のアイデンティティを保ちながら興味のある事業を疑似体験することによって、更にビジネスの経験値が増していく。これがM&Aを通じて、僕が築いたスタイルです。今後もアメーバのように広がっていく好奇心に素直になりたいと思います。

何をもって成功かは人それぞれ異なりますが、僕はM&Aを通じて自身が本質的に求めていたスタイルを築き上げる事ができました。

経営者・事業家としての強み

僕の得意分野は、HR領域、ヘルスケア領域、海外ビジネスです。
この領域に関しては、全方位に対して御力になれると思っています。この領域で起業を考えられているような方がいたら、ぜひ一度ブレストしましょう。

M&Aを考えている人へのアドバイス

短期的なゴールが達成されたら、また次のゴール設定。会社経営にゴールはないですね。「大きな世界観で、高い目標を持ち続けられる人でないと会社経営は苦しくなる」と起業する前に知人から言われましたが、その通りだと思いました。

僕にとってM&Aは、人生の中で経験する卒業の一つだと感じています。ビジネスマンとしてのライフイベントの一つを経験することが出来ました。
M&Aをするかしないか、選択肢があるのであればM&Aをする事をお勧めします。0→1で事業を作り出して売却するという商業プロセスは、とても貴重な経験になると思います。経営者視点は勿論のこと投資家視点も理解する事ができたため、経営者・投資家としても成長することができます。

もしM&Aでお悩み等ございましたら、是非ご相談ください。

豊田氏の活動

■ベイトレイル株式会社
https://bay-trail.com/

■HR産業の次世代型エコシステム・プラットフォーム『オールインワンHR』
https://allinone-hr.com/

■人生経験やビジネス知見のデジタル図書館「ユアログ」
https://www.youtube.com/channel/UCDVqyWkBeHNj07fFBI-kVLw

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