河田憲二氏

譲渡企業:債務整理の森(事業譲渡)
  譲受企業:ポート株式会社

SEOアルゴリズムのアップデートを経験して、外的要因に左右されづらい事業へ挑戦

大学在学中にwebマーケティングの事業を創業。その後株式会社グリーンライトを設立し、法律メディアを運営。 その後不動産賃貸業を展開し、多様な物件を手掛ける。 不動産に携わる中で、何らかの瑕疵を抱えた不動産売却で多くの人が困っていることを知る。 空き家問題を含め、この事業に全力を投じる必要があると考え法律メディアを事業売却、ルームセレクト社(現AlbaLink社)を買収し不動産業に専念する。株式会社AlbaLink代表取締役を務める。

譲渡企業

会社名
債務整理の森(事業譲渡)
経営期間
2014年9月5日~現在
事業内容
■メディア運営事業 ■シェアハウス事業 ■レンタルオフィス(コワーキング)事業 ■オフィス工事請負

譲渡内容

譲渡額
非公開
譲渡範囲
株式譲渡

EXITERの経歴

氏名
河田憲二
経歴
大学在学中にwebマーケティングの事業を創業。その後株式会社グリーンライトを設立し、法律メディアを運営。
その後不動産賃貸業を展開し、多様な物件を手掛ける。

不動産に携わる中で、何らかの瑕疵を抱えた不動産売却で多くの人が困っていることを知る。
空き家問題を含め、この事業に全力を投じる必要があると考え法律メディアを事業売却、ルームセレクト社(現AlbaLink社)を買収し不動産業に専念する。株式会社AlbaLink代表取締役を務める。

就活を通じて、自身のチカラで生きていくと決める

幼少期は野球少年で地域の同年代では上手な方で、高校は千葉県の強豪校に進学します。
ただ、高校入学前に遊びで全治9か月の怪我をしてしまい、完全にスタートが出遅れました。在学中は中々試合に出る事ができず、日々厳しい練習の中でどう上手く手を抜くかを考えてましたね。大学は指定校推薦で進学しました。

大学3年生になり就職活動が始まります。将来的に起業をしたいと考えていたため、ベンチャー企業を探していました。当時はまだ気持ちのどこかで社会人になる覚悟が出来ておらず、自宅から近い職場ばかり探していました。
2社面接に行きましたが、会社の実態や会社が上手くいっているのかを感じ取る事は出来ませんでした。また、ベンチャー企業であれば経営者と近い距離で学べると考えていたのですが、そういう環境も中々見つけられませんでした。
2社の面接を通じて自身で何かを始めて食べていけるようになった方が良いと考え始め、就職活動は終了しました。こういった考えになったのも両親が会社経営をしていたり、親族にも経営者が多かったことが影響しているかと思います。
もしかすると失敗するかもしれないが最短ルートで成功できそうな道を選ぼうと決めて、出来るだけお金をかけずスモールスタートできる事業を探しました。

まずは何を始めるかを考えました。
何も決めていなかったので「インターネット 稼ぐ」とか検索してリスクの少ない稼ぎ方を探しました。そこで先ず目に留まったのは”情報商材”です。当時は情報商材を作ってヤフオクで売るというモデルが流行ってきた時期で手っ取り早く稼げそうだと思いましたが、実際何もない状態から情報商材を作る事に抵抗を感じました。
色々と調べていく中で、千葉県八千代市に若者に対してビジネスを教える活動をしている方が居る事を知り会いに行ったところ、胡散臭さがなくしっかりとされていたのでその方に教えを乞うことになります。

その方は車のマッチングサイトで生計を建てられている方で、インターネットを起点とした集客方法を学ぶことになります。集客方法を学ぶ過程で、SEO対策やアフィリエイトについて勉強を始めました。そこで事業として開始したのが、自身の趣味であったバイクのオークション代行やバイクのツーリングイベントの開催、建築系のマッチングサイト運営などをインターネットを活用して行いました。
でも思うように儲からなかったですね。しばらくはこういった状態が続きました。

結婚を機に、アフィリエイト事業に専念

25歳に結婚した事を機に、しっかり事業として生計が建てられるものを作らなければと思いました。
そこでチカラを入れたのが、アフィリエイトです。

当時のGoogleのSEOアルゴリズムは今とは全然違うものでした。私が行っていた方法は、当時のアルゴリズムと相性が良くほかの手法と異なり驚くほどのスピードで結果がでました。その成功体験がキッカケで、同じ手法をアフィリエイト広告案件全てに試してみました。
一通りやってみた中で「債務整理」の案件が、他の記事を圧倒するような成果を出しました。
そこからは債務整理について、ひたすら突き詰めてアフィリエイトページを作成しました。月間500万円ほど利益が出るようになりましたが、量産型の記事を作成していたためGoogleのアルゴリズムのアップデートで時間が経てば右肩下がりになる事は目に見えていました。
家族で生活をしていくには十分なお金は稼いでいましたが、今後についての危機感を常に感じていました。

そういった中で次は何をやろうかと考えた時に、読み物として価値があり債務整理で困っている人のために立ち上げたコンテンツサイトが「債務整理の森」です。
債務整理のアフィリエイト市場は大きく、更にアフィリエイターの競合が少なくSEOの枠が空いているのは肌感で分かっていました。実際に良質なコンテンツを作っていく事で安定したアクセス数を稼ぐことが出来ました。
コンテンツメディアは良い記事を作っていけばアクセス数に繋がり息は続くと考えていましたが、Googleが健康や命に係わる検索結果の適正化を図った、通称「健康アプデ」という大きなアップデートを行いました。簡単に言ってしまうと、個人がやっているようなサイトは評価されず、ドメイン主が上場企業であったり記事を書いている本人が弁護士のような記事を優遇する仕組みでした。その段階では、健康や生命に関わる検索が対象ですが他の領域まで派生してくるのは時間の問題でした。私の直感では、5年程はしのげるかと思いましたが長い人生軸で考えた際にこれは一生やっていく仕事でないと判断して、本格的にM&Aについて動き出しました。

M&Aプロセス

健康アップデートが行われる前からアフィリエイト界隈でサイトM&Aという言葉が流行り出し、周囲からも1・2億で売り抜けた人がいるといった話を聞くようになりました。それからは、俗人的にならないように仕組化をして次の会社に引き継げる体制は整えておこうと考えていました。そこに健康アプデが拍車をかけた形です。

実は健康アプデ以前にM&A仲介会社に相談をしていて、買い手が見つかったらラッキー程度に考えていました。
実際に、ある上場企業の方とトップ面談をする日の朝に健康アプデが起きました。SEOの動向が大きく変わっている中で、SEOの影響を受けかねないサイトをM&Aするという話をどう説明すればいいんだろうと思いましたね。(笑)

うちのサイトは幸い順位が落ちていなかったので、SEOの不安定さに対する質問も頂いておりましたが、実際にコンテンツ投資をして実際にGoogleに評価されるような運営をしていたのがその大きなアップデートの難局を回避する事が出来ました。コンテンツ力があるので、まだ息は続くと考えていましたが、所有者が私であればそうとは限らない状況であった為、会社として信用のあるような企業に引き継いで頂けるのがベストだと考えました。
上場企業や弁護士事務所など売却先を複数検討した中で、ポート株式会社に事業譲渡させて頂きました。

譲渡先に決めた理由

評価額は優先して考えていました。
とはいえ、出来る限り早く次の事業を行いたいとも考えていたので、極力ロックアップが無い事と、今後運営する会社がどういったサイト運営をしていこうと考えているのかという点は重視していました。自身で事業を作ってきたので事業が縮小していくような様は見たくないですからね。その上で、この会社に運営は難しいだろうといった企業は除外して考えていました。

実際にトップ面談は5社と行い、ポート株式会社への事業譲渡を決めました。
事業をしっかりと評価して頂けたことは勿論ですが、社長である春日氏が凄いスピード感で仕事される方で、私もスピード感を重視して仕事をしていたのでそこのキャッチボールがスムーズに行えたことはM&Aという重要な局面で決め手となりました。

今回は”事業譲渡”という形を選択しましたが、当初は株式譲渡をしたいと考えていたため債務整理のサイトのみ別会社にしていました。ただ、先方は事業譲渡に拘っていました。恐らく株式譲渡だとデューデリが重くなってしまう事を懸念されていたのではないかと思います。
結果としては、他社よりもしっかりと良い評価を頂けたので満足しています。

譲渡後の生活

株式譲渡後はM&Aで宅建免許を取得しているがほぼ事業を営んでいないような会社を買収して、社名変更をして株式会社Alba Linkを立ち上げました。

振り返ってみると中学時代に読んだ「金持ち父さん 貧乏父さん」が不動産について初めて意識したタイミングでした。当時こういった資産形成の方法があるのだと思った記憶があります。
実際に昔読んだこの本の事を思い出して、手元資金を不動産に変えて守りを固めていく手法を取ろうとM&A前からグリーンライト社として不動産の購入をしていました。グリーンライト社では1番多い時で、9棟ほど不動産を所有していました。不動産の収益の出し方は、安く買って長く運用して出口で高く売る事です。これがこの事業の基本になる考え方だと思います。

アフィリエイト事業はGoogleのSEOアルゴリズムの変更という外的要因で、いつ煽りをうけてもおかしくない事業でした。その反動から、外的要因の影響を受けづらく社内にノウハウやアセットが蓄積されていくような事業をしたいと考えて不動産に目を付けました。

不動産において、どのような物件が安く買えるのかと考えた時に、瑕疵がありギャップが取りやすい物件に行き着きました。最初はボロボロであるが、自社が所有している間にリフォームをする。人がリスクだと思いあまりやりたがらないようなリスクをとっていく事で、大きな利幅が発生すると確信していました。
また、不動産は1対1で価格が決定するため、そこに対してもギャップが出やすいと感じていました。訳あり物件を専門で扱っている会社が周りになかったため、株式会社Alba Linkでは訳あり物件をメインで取り扱っています。また不動産業界で、デジタルマーケティングでチカラを入れている企業が市場規模と比較しても少ない事もあり、今までの知見を活かしてWEBマーケティングにチカラを入れる事で”訳あり物件と言えばAlba Link”という状態を目指しています。

経営者・事業家としての強み

スピード感ですね。
意思決定の速さや日々のレスポンスは、早くするように心掛けています。

私は元々働きたくないと考えていた人間で結構さぼりがちなところがあります。野球部時代もどうやって手を抜いて隠れて水を飲もうかという事ばかり考えていました。それが今に生きている部分がありまして、手持ちの限られたリソースの中で最終目標を上手く達成できるのかというバランス感は養われたのかなと思います。
「効率よく求めている結果を得る」これは常に意識していますね。

M&Aを考えている人へのアドバイス

出来るだけ売却経験のある方にご相談されるのが良いと思います。
売った人の声は生の声なので、そこは聞いて損はないです。実際売ってみたらこうだったという、中々外に出てこない情報が聞けたりします。特に自身がやられている事業に近い業態で、M&Aの経験をされた方の体験談は参考になる点が多くあると思います。

河田氏の活動

■株式会社Alba Link
https://albalink.co.jp/

■訳アリ買取PRO
https://wakearipro.com/

■訳アリ物件買取ナビ
https://albalink.co.jp/realestate/

■不動産投資の森
https://2do-3.com/

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