安田早誉子氏

譲渡企業:ワンコインエステ「FACEUP SALON」
  譲受企業:株式会社U-Ring

美容業界初のビジネスモデルへ挑戦。選択・集中で更なる企業成長へ

美容専門学校卒業後、名古屋市内で美容室4店舗を展開する有名美容室に就職。アイリスト&レセプション担当として従事。夫の幸司氏とは、同社で出会い結婚。その後は百貨店で従事した後、幸司氏が独立を果たし、名古屋市緑区に美容室CALMIA.,を開業。2年後に、同美容室内の一角でアイラッシュサロンのCALMIA.,eyeを開業し、オーナーとして活躍。2021年12月にオープンしたワンコインエステFACEUP SALONを事業譲渡し、現在に至る。

譲渡企業

会社名
ワンコインエステ「FACEUP SALON」
事業内容
■美容室運営 ■アイラッシュサロン運営 ■ワンコインエステサロンの運営

譲渡内容

譲渡額
非公開
譲渡範囲
事業譲渡

EXITERの経歴

氏名
安田早誉子
経歴
美容専門学校卒業後、名古屋市内で美容院4店舗を展開する有名美容室に就職。アイリスト&レセプション担当として従事。夫の幸司氏とは、同社で出会い結婚。その後は百貨店で従事した後、幸司氏が独立を果たし、名古屋市緑区に美容室CALMIA.,を開業。2年後に、同美容室内の一角でアイラッシュサロンのCALMIA.,eyeを開業し、オーナーとして活躍。2021年12月にオープンしたワンコインエステFACEUP SALONを事業譲渡し、現在に至る。

第3の事業として、ワンコインエステ開業

ワンコインエステFACEUP SALONは、夫婦で開業しました。
夫が美容師をしておりまして、2019年11月に独立をし、名古屋市緑区に美容室を開業しました。美容室は、お陰様で多くの方にご愛好頂きまして、連日予約で埋まるほどになっています。そして私の目標であったアイラッシュサロンも美容室に併設する形で運営を始めました。しかし、サロンの売上構成は、客数×単価の世界なので経営していく上で、働き方や数字の限界が見えてしまった部分があり、夫からの「一度きりの人生何かに挑戦してみたい」という想いを受け新規事業の構想を始めました。

新たな事業を立ち上げると言っても、夫婦ともに労働集約型ビジネスをしているため、新規事業に費やす時間の確保が難しい問題や、新規事業を始めるとなると、雇用が必要となる事から自社にとってはハードルが高いとも感じていました。

人手をかけずに運営可能な新規事業を考察していく中で、自社事業の軸でもある美容から派生して、セルフエステが良いのではないかと行き着きました。セルフエステは人気が出てきている領域であり、雇用は必要とはなりますが、事業化するイメージが湧きました。セルフエステとは言っても、レセプションやアドバイザーの人員が必要になるため、月間に20万円程度の人件費が発生します。新規事業での雇用は弊社にとってとてもリスクが高く、同時に「もっと新しいものに挑戦したい」という気持ちもありました。無人小売店が流行っていることから、「無人×美容」で美容業界に新たなスキームが生まれるのではないかと考えるようになりました。
そこで日本初となる無人エステサロンを開業しようと動き出します。

無人運営の難しさに直面

日本初の無人セルフエステサロンを開業すると意気込んでおりましたが、開業に至った2021年12月に大手企業が当社とは異なるサブスク型で無人エステサロンを開業しました。

無人セルフエステサロンは家賃と日々のランニングコストのみで事業運営を行えるため、私たちにとって最善の新しいビジネスになると感じていました。ただ、参考になるビジネスモデルが無く、とにかく仕組化に苦悩し寝れない日々を過ごしました。
無人小売店は1ステップの会計業務のみで完結が可能ですが、エステサロンはクレンジングを行い、エステに必要な消耗品を本人がピックアップしてから自身に合ったメニューを選択する工程などが必要となります。そこをお客様が困る事なく動けるように、店舗に入ってからQRコードを読み取り全てスマホの指示で退店まで誘導できるよう、仕組みを作りました。

一定の仕組化が出来たと感じて挑んだプレオープンの3日間、私は常駐してお客様がどの点で躓いてしまうのかチェックしていました。ところが、開店初日に訪れたお客様は、入店後から想定していた行動が出来ずに最初から躓いてしまったのです。その光景を見て愕然としました。

そこから「改善→失敗→成功」をひたすらに繰り返していきました。そこで得た気づきは、オンライン化が進んでいる世の中であってもオンラインだけで完結させる事は難しいという事実です。当初はスマホで全て完結するような仕組みを考えていましたが、その一連の流れをアナログでも完璧にセッティングしなければお客様を動線通りに誘導できないということに気付きました。そこで、店舗内に案内の看板を増やし、規約などもオンラインのみではなく紙で用意をしました。立ち上げだけに関して言うと、美容院やアイラッシュサロンの何十倍も大変だったように感じます。

経営面に関しては夫が担当して、私はお客様へのサービス面を全般的に担当していました。
無人のサロンが今まで無かったこと。併せて前例のないワンコイン業態であったため、認知を得るところから始めなければなりませんでした。当初は、仕事帰りなどにふらっと寄る事ができる「エステのコンビニ」というコンセプトでネットCMなど打ち出しをしておりましたが、新規ビジネスに対して認知を獲得できる程の、広告費を投入する事が出来ず、想定していた集客数まで伸ばすことができませんでした。マーケティングの部分において甘かったなと痛感しています。

夫婦共に本業があったため、120%この事業にリソースを注ぎ込むことが出来なかったこと、私自身が体調を崩してしまったことがきっかけで事業譲渡を考え始めます。

M&Aプロセス

複数のM&Aプラットフォームを利用した中で担当者がついて、相談に乗って頂けたのが「バトンズ」さんでした。M&Aについて知識が少ない中で、買い手様の目につきやすいような打ち出し方などテクニカルな部分まで教えて頂きました。結果として数十件のお問い合わせて頂き、10名程度とお話させて頂きました。

今までにないビジネスモデルを自分たちで作り上げた事もあり、この事業を我が子のように感じていました。そういった事もあり、売却するにあたって丸っきり別のビジネスモデルに変更されるのは少し寂しいなと感じでいたので、買い手様を決める上でビジネスモデルを大きく変えずに引き継いで頂けるという点を重視しました。

最初は美容ビジネスであるため、知識のある美容関係者を中心にコンタクトを取っておりましたが、他業種の企業様、経営者様からもお声かけ頂き新規事業を伸長させていくためには美容業ならではの固定概念がない方にお譲りするのも新しいものが生まれるのではないかと、感じるようになりました。そこから愛知県内の方を中心に幅広くお話しする機会を設けまして、最終的には福祉事業を展開する株式会社U-Ringに事業譲渡させて頂きました。

社長のお人柄、緊急時にすぐ駆けつけることができるように近場に住まれている点、自身が作ったシステムを残していただけるという点、コミュニケーションの取りやすさが決め手となりました。

今後の展望

新規事業を行っていた時は記憶が無いほどに多忙で、子供たちが何をしているのかを見ていられない程に一杯一杯の状態でした。この経験をした事によって、私自身のキャパシティーが大きくなったことを実感しています。
現在はアイラッシュサロンのオーナーとして、スタッフへのフォローアップを増やす事ができ、プライベートでは、家族で外出をする時間も増えました。子供たちの成長を落ち着いて見守る事が出来ています。

今後の人生は「チャレンジしたいけど子育てもしたい」など私と同じ不安や悩みのある方の独立支援などサポートをして行けたらいいなと思っています。

M&Aを考えている人へのアドバイス

メディアでM&A検討した事がある方のお話を聞いた事があります。
その時に「私は以前M&Aをしようと考えたんだけど、ダメだと思って何とか踏みとどまって頑張る事が出来たので今があります。」というお話をされていました。その発言からも感じ取れたのですが、日本人の考え方の中に”自分で始めたことは自分で成功させなければならない”という概念があるように感じています。確かに、私も以前はそのような考えがありました。

M&Aについて調べていく過程で、「我が子のように育てたお店を潰してしまってよいのだろうか」という想いが強くなりました。
また、誰かに引き継いでもらったお陰で、店舗が生まれ変わり、譲り受けた経営者が生き生きと活躍されている事例も多く拝見しています。
M&Aに関してネガティブに捉えられている方も少なくないと思いますが、実際に経験した私はとてもポジティブなものであると感じています。

是非M&Aをしようか悩まれている方がいましたら、まずは情報収集をたくさんして頂けると良いかと思います。

安田ご夫婦の活動

■美容室「CALMIA.,」
https://calmia.storeinfo.jp/

■アイラッシュサロン「CALMIA.,eye」
https://calmia.storeinfo.jp/pages/2757103/page_201904061633

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