岐阜大学工学部卒業後、メーカーに就職して1年間設計職として従事。その後は、個人事業主として30歳まで7年間ネットワークビジネスで、人脈と仕組化を学ぶ。貴金属の会社に創業メンバーとして参画後に、株式会社メルヴェイユを創業。ポルトガルのサッカー3部に所属するAnadiaFCのオーナーを務める。
私の実家は町工場を経営しており、将来的には私が父親から継ぐことになると考えていました。そのため、家業に繋がることを学ぼうと考えて、岐阜大学の機械工学科に進学します。新卒でメーカーに就職をして、1年間機械の設計を行いました。
社会人になり、高校時代のサッカー部の先輩と久しぶりに会う機会があり、現在は会社員ではなく独立して個人事業主として働いていると聞きました。独立と聞いて、まだ社会人として経験も少ない年齢なのにどういったことをしているのか非常に興味が湧きました。詳しい仕事内容を聞いていくと、ネットワークビジネスとのことでした。私もやってみたいと思い、同じビジネスを開始することにします。
始めた当初は会社員と並行して活動をしていましたが、ネットワークビジネスのみでも生計が建てられる見込みがあったため、個人事業主としてネットワークビジネスに専念することにします。
最初は友人や知人を中心に一緒にやっていきたいという人を集いました。
ネットワークビジネスと言うと「ねずみ講」のイメージが強くて良く思わない人も多くいました。このビジネスをする中で、商材ではなく自分自身を売るという事を意識するようになります。ネガティブイメージの強い業界なので、誠実な対応や人としての魅力は重要です。私はこの期間に個人として大きく成長が出来たと考えています。
一定の生活が出来るような状態になるまでは、5年程かかりましたね。最高月収が250万円程あった時もあり、瞬間風速的に稼げる時はありますが、このビジネスに携わっていた7年間の収入を平均してみるとあまり良くはなかったと思います。
ネットワークビジネスは、いわゆる不労所得を得る仕組みです。簡単に言うと、自分が居なくても組織が回り売上を伸ばし続けるための仕組みを学ぶことができました。
私はこのビジネスを始める時から、ここで稼いで実業の世界に行ってみせると考えていました。
高校の先輩にとても羽振りが良い方が居て、何をしてそんなに稼いでいるのか聞いたところ「貴金属の買い取りの会社をしている」とのことでした。詳しく話を聞いていくと、とても儲かるビジネスモデルであることが分かり、すぐに「そのビジネスを組織でやりたい」と伝えましたね。
そこから1期目は年商8,000万円。勝機が見えたため従業員を増やして全国に拡大し、2期目には年商12億円まで成長することが出来ました。
ゼネラル・エレクトリックのジャック・ウェルチ氏の言葉に『選択と集中』がありますが、私はこの言葉が好きです。
この言葉の通りの選択と集中で、お金・時間・人員を集中させて一気に成長をさせる事が出来ました。
ただ、急激に組織規模を拡大した影響がマネジメント面に出ていました。社員教育がままならず、今思えば経営陣と社員間の信頼関係も希薄でしたね。そういった事が要因で様々な問題が発生しました。
この経験から学んだことは、社員教育の重要性でした。また、企業理念のように会社が目指す方向を明示して、社員と共有することが重要ですね。当時はその重要性に気づいておらず、とにかく稼ぐことが優先してしまっていたかと思います。
2期目に国税が入り役員陣で追徴課税を負担する事になり、私は貯蓄が無くお金を持っていなかったため会社を離れて新たな事業の立ち上げに動き始めます。
起業をするにあたって、知り合いのお金持ちを10人リストアップし、会いたい旨を連絡しました。
その中に、1学年上の先輩で光回線事業をされている方がおり、お会いした際に2つの質問をします。
1つ目は、私にもその事業が出来るかということです。これは誰でもできるという回答でした。そして2つ目の質問は、先輩が持っているノウハウを私にも教えて貰えないかいうことです。こちらも了承頂き、光回線事業を展開していくことに決めます。
そこからは、社内を写真で撮らせて頂いたり朝礼にも参加しました。そしてこちらで人員を集めた上での研修をお願いしたところ快諾頂き、2週間後にネットワークビジネス時代の人間関係を活かして13名を集めて、事業を開始しました。
事業を開始してから1年は収益を上げられる状態ではなく、メンバーにはこちらから満足な金額を支給出来ずアルバイトの掛け持ちなどでなんとかやってくれていました。そこから徐々に社内にノウハウが蓄積されていきます。
その後、規模は拡大し関西・東海を中心に支店を出していきます。池袋や広島にも出店しましたが、関西・東海で圧倒的なシェアを獲得する方針に切り替えて今があります。
また、7年前に始めた太陽光の売電事業が安定収益をもたらして、企業基盤はさらに安定的なものになりました。
23歳の時に『45歳までにFIREする』と決めていました。
43歳の頃、会社も順調に成長を続けていたことでM&Aを意識し始めて、セミナーに参加したり本を読むことで知識を蓄えていきました。
M&A仲介業者に実際に話を聞いた上で、やはりM&Aは私の目標を実現するために適していると感じましたね。
最終的に知人に紹介して頂いたM&A仲介会社で、ファンドへ株式売却を決めました。
今回のM&Aでは、更に会社をスケールさせるために必要なサポートをしてくれるような相手と協力体制を組みたいと考えていたため、事業会社ではなくファンドが良いと考えていました。また、更なる成長を見越した時に、今までのワンマン経営の体制ではなく、守りの部分を強固にしていく必要がありました。その上で、ファンドと手を組むことは良い選択だったと思います。
今回は2段階EXITの形を取っています。私の45歳の誕生日に100%株式売却をして、翌日に60%株式を買い戻しました。
元々は各事業会社ごとに分かれていた会社をホールディングス化しました。その後、ファンドの借り入れ等を差し引いた形で株式の買い戻しをしました。
M&Aから5年後に目標を定めて、現在はファンドと新たな目標に向けて歩み出しています。
今までの経営会議では、私がほとんどの意思決定をおこなっていましたが、譲渡後は仕組化が進んで、各役員が責任をもって経営判断をする事が出来るようになりました。
幹部社員も今までとは一段階意識が上がり、権限委譲が上手く進んでいるかなと思います。社員の成長が見えるのは嬉しいことですね。
私個人としては、2段階EXIT達成後には新たな挑戦をしていきたいと考えています。
今回の譲渡先であるファンドとは良い関係性を築けており、将来的に一緒に共同で会社を買収して、私が経営のオフェンス部分、ファンドがディフェンス部分を担当して様々な事業会社の経営に携わっていけたら理想ですね。
また、海外旅行が好きで、世界一周をしていて累計50ヵ国に訪問した事があります。まだ見知らぬ土地にも行ってみたいですね。
組織づくりが得意です。
組織設計の上で、私自身が居なくても回るような仕組みを考えることを大切にしています。組織を上手く循環させていくためには、目的管理をすることが重要です。
また、経営者として背中を見せることですね。
新たに始めているWEBマーケティング事業は一人で立ち上げました。そういった姿を社員が見ることで信頼関係が生まれてくると思います。
私の場合は、もう1段階会社を成長させることを目的にM&Aを行いました。
M&Aというと売って終わりと考えられる方が多くいらっしゃいますが、そうではなく更に組織を強固にすることもできます。創業社長は売上を伸ばす等、攻めの経営は得意ですが、労務面など守備を苦手にされている方が散見されます。
そういった守備面の整備のためにM&Aを行うこともありではないかと思います。
私も現在進行中ですが、2段階EXITで2度良い経験をすることも出来るので、こういった更なる成長のための仕組み作りがM&Aで行えることを、より多くの経営者の方に知って頂きたいですね。
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