石塚卓也氏

譲渡企業:SmartDeal(事業譲渡)
  譲受企業:株式会社テクノデジタル

1度目の起業を経験して、長期を見据えた組織設計へ挑む

連続起業家。上智大学理工学部卒。シリコンバレーや日系のベンチャーなどを経て、フリーランスとなり独立。SaaSやWebメディアなど計4つの事業譲渡(M&A)を経て、アールエンジンを創業。SES、コンサル、M&A仲介、オフショアなど、IT領域を専門に事業展開。

譲渡企業

会社名
SmartDeal(事業譲渡)
事業内容
■人材事業「SaasAgent」 ■受注プロセス高速化SaaS「SmartDeal」 ■Webメディア事業「エニーセールス・マガジン」

譲渡内容

譲渡額
非公開
譲渡範囲
事業譲渡

EXITERの経歴

氏名
石塚卓也
経歴
連続起業家。上智大学理工学部卒。シリコンバレーや日系のベンチャーなどを経て、フリーランスとなり独立。SaaSやWebメディアなど計4つの事業譲渡(M&A)を経て、アールエンジンを創業。SES、コンサル、M&A仲介、オフショアなど、IT領域を専門に事業展開。

国内・海外企業の違いを体感。フリーランスとして独立へ

元々好奇心旺盛な性格でした。
上智大学に進学してサッカー部にての活動が終わった後、フィリピンに留学へ行ったり、マレーシアのITスタートアップや米国シリコンバレーで働きました。マレーシアのスタートアップでは、投資会社から出資を受けて事業を行う企業があることを知ったりと、多くの刺激や学びがありました。

就職活動時は周囲の影響もあり、大手広告代理店に就職しようと考えておりましたが見事に書類で落ちました。それをキッカケに就職活動を辞めることにします。学業も疎かだったので留年が決定して、次年度再び大手広告代理店を受けますが、またしても書類選考で落ちました。第一志望に落ちてからは就職活動に熱が入らず、とあるITベンチャーから内定を頂いたので早々に就職活動を終えました。

新卒で入社したベンチャー企業は2週間で退職しました。そこから転職を経験しましたが、担当している事業が数ヵ月後に撤退することが決まり、同じタイミングで退職することにします。
短い期間ではありますが、様々な企業で働く中でWEBマーケティングの重要性を感じてWEBマーケティング会社への転職を考えましたが、悉く面接で落ちました。そこで自信を無くした私はしばらくフリーターのような生活をしていました。
そんな中、高校時代の友人に会った際に「今何やってるの?」と聞かれ、咄嗟に「フリーランスをやっている」という言葉が出たんです。(笑)
それが転機となり、実際にフリーランスとして仕事を貰うにはどうすれば良いかを考え、知り合いから人材系の営業の仕事を貰い、本格的にフリーランス営業としての活動が始まります。

フリーランスとして一定売上が上がるようになり、知り合いの方から法人化した方が良いとアドバイスを頂き株式会社ナッツを創業しました。
そして「代表取締役」という肩書が出来ました。
日々「代表取締役の石塚です」と挨拶をしていくうちに「代表取締役っぽいことをやりたいな…」と考えるようになりまして。(笑)

そこから事業アイディアの模索が始まります。

株式会社ナッツ創業

最初に始めた事業は、営業職全般の人材紹介です。
ベンチャー企業が人材紹介事業で勝ち抜くためには、ニッチな領域で事業を展開していく方が成功確率は高いです。そのため、営業職全般をターゲットにして事業を展開していくのは難しいのではないかとも考えました。
そこからベンチャー企業の営業職、更に絞り込んで、SaaS企業に特化した人材紹介へ辿り着きます。

当時SaaS企業に特化した人材紹介企業の競合が居ない状況で、営業職全般をターゲットにしていた時代と比較して圧倒的に低コストで求職者を集めることができました。

そこからはキャリアアドバイザーを採用して、事業拡大を図ります。
事業自体は順調に成長していきましたが、新型コロナウイルスの影響で紹介先企業が一次的に採用ストップとなり、社員を採用した事によって運転資金も膨らみ会社の資金が底をつくかもしれないという危機感を感じ始めます。銀行に融資を受けられそうにない状況で、新たなSaaS事業を立ち上げて、エクイティで資金調達を行い窮地を脱しました。

取引先企業が採用活動を再開し始めたことで、人材紹介事業は復調を見せていました。また、SaaS事業も着々とユーザーが増えていき、MRRも順調に伸びていました。しかしながら、もう1段事業を拡大するには、自社では資金力が不足している状況でした。事業をもっと拡大するためには大きな資本力が必要と考えるようになったことから、自身で資金調達する方向ではなく、最終的にはM&Aに動き出します。

M&Aプロセス

SaaS特化の人材紹介事業と自社SaaS事業の売却案件を別々にM&A仲介媒体に掲載しました。

人材紹介事業は、全部で10社の問い合わせがありました。その中には、個人や中小企業からの問い合わせもありました。
面談をする中で意気投合したり話が合うような方もいましたが、この事業を伸ばすことと、継続して事業に携わる従業員の事を考えると経営基盤や資金力があり事業を更に成長できる企業がベストであると考えて、株式会社テクノデジタルへ事業譲渡しました。

SaaS事業に関しても順調に伸びていたため、株式会社テクノデジタルへ売却することが出来ました。

今回のM&Aは、M&Aに関する知識が全くないところから動きました。
株式会社ナッツの創業経緯はお話した通りなので、ミッションやビジョンが明確に決まっていたわけではありませんでした。そういった状況で作る組織は、長期的な成長を目指すような組織づくりが出来ていませんでした。売却後は会社を清算して新たに会社を立ち上げたいと考えていました。また、税金のことを考えると、事業譲渡の場合、課税資産は消費税の対象になります。加えて譲渡利益には法人税(約30%)がかかります。また、会社を精算する場合は、分配するキャピタルゲインに対してさらに所得税が掛かります。
対して、株式譲渡は消費税の対象にならないものの、譲渡益に対して20.315%(所得税および復興特別所得税15.315% + 住民税5%)が課税されます。税率を考慮しても株式譲渡を選択すれば良かったかなと思います。

譲渡後の生活

新たに株式会社アールエンジンを創業しています。
アールエンジンではSES事業を展開しており、組織規模は今年度中に30名を超える規模まで成長しています。

「私たちの働き方でIT業界を変えていく」をモットーに「自由正社員」という働き方を提唱しています。自由正社員では、正社員の“安定性”とフリーランスのような“自由度”を実現したいと考えています。
『人的資本』『金融資本』『社会資本』この「3つの資本」を構築することができれば、自由な人生を設計できると言われており、「自由正社員」を通して自由に構築できる環境を作り上げていきたいです。

10人いれば10通りのキャリア、100人いれば100通りの働き方を実現すべく、アールエンジンでは「理想の働き方」を叶えたい人を応援していきたいです。

経営者・事業家としての強み

私の強みはプライドがないことだと思います。
自身の事業を成功させるためには、ある程度プライドを捨てることも大切だと思います。

ただ、「自由正社員」という新たな働き方を提唱して賛同頂いた方に入社頂けている事で、当社オリジナルの企業文化をつくることができています。

M&Aを考えている人へのアドバイス

とにかく様々な人と話してアドバイスを貰うことですね。
M&A仲介会社も複数社とお話しすることで、自社の売却相場やベストのスキームを探ることが出来ます。
M&Aは人生で何度も経験することではないので、実際にM&Aを経験された方や仲介会社の方と多くコミュニケーションを取って、ベストな形を探して欲しいですね。

石塚卓也氏の活動

■株式会社アールエンジン
https://r-engine.jp/member/all

■株式会社ナッツ
https://nats.co.in/

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