1986年北海道生まれ。美容専門学校卒業後、カナダに語学留学。 バックパッカーとして世界30ヵ国を一人旅。当時、日本では普及していなかったブラジリアンワックス脱毛にビジネスチャンスを感じ、2014年にワックス脱毛専門サロン「Ibiza Wax」を六本木に開業。沖縄を含む全国に9店舗を運営。 IbizaWaxに通うお客様からの悩みを解決すべく、デリケートゾーン化粧品ブランド「Ibiza Beauty」を立ち上げ、5年で累計販売本数100万本突破。 2020年 (株)かがやくコスメ(現株式会社ウィルミナ)へ売却。 現在は2児の子育て、ポールダンス、英語の勉強をしながらアメリカ移住に向けて準備中。
学生時代より海外志向が強くあり、美容の専門学校を卒業後、カナダへ1年8か月間の留学をしました。
日本へ帰国後は実家暮らしでお金を貯め、バックパッカーとして一人旅に出ました。
気ままに一人旅をするのは楽しかったのですが、途中で旅に飽きてしまい半年で帰国しました。今まで散々遊んできたからか「仕事を頑張りたい」という気持ちが芽生え、上京する事に決めました。
「東京で何をしよう?」と考えた時、就職ではなく自分で何かをやりたいという気持ちが強くあったため、NYのリメイクブランドを輸入し日本で販売を始めてみました。
毎週、自転車で原宿や渋谷に出向き、飛び込み営業やビラ配りをしたり、イベントに出店したりしましたが、努力は報われず半年で閉業となりました。
その後、一人旅をしている時に様々な場所で見かけたワックス脱毛サロンの存在を思い出し、日本にまだ普及していなかった事からビジネスチャンスを感じ、その日のうちにワックス脱毛サロンへ連絡して、すぐに働き始めました。
2014年8月にワックス脱毛サロン「Ibiza Wax」を六本木に出店しましたが銀行からは融資を断られ、資本金300万での運営だったので資金繰りでは苦労しました。
1年目には開業資金が底を突き、私の貯金から従業員の給料を支払った事もありますし、私自身の給料を取れるようになったのも創業して2年後です。
開業時は私自身もワックス脱毛の施術者としての経験が浅かった為従業員への教育も、手探り状態でした。
開業して7ヶ月目で私の妊娠が発覚し、切迫早産で自宅安静をしていた時はまだ新人同然のスタッフに教育者の役割を任せざる得ない時もあった程です。
集客に関しても、半ば勢いで六本木という集客の難しい立地を選択してしまった為、苦労の連続でした。
当時はまだワックス脱毛の認知が低く「ワックス脱毛=怖い」というイメージを持っている方も多かったので、モニター様を集めて顔写真を撮影し、HPに顔出しで掲載していました。その手法が当時は珍しく、口コミで認知度が上がり、東京だけでなく全国からお客様が足を運んでくれるサロンにまで成長しました。
そのお陰で開業1年で3店舗(六本木、新宿、渋谷)に展開することが出来ました。
Ibiza Waxではデリケートゾーンの施術がメインだった為、お客様からは多くのデリケートゾーンの悩みを伺っていました。
「お客様の悩みを解決したい」という思いから、デリケートゾーン専用化粧品「Ibiza Beauty」を立ち上げ、後に看板商品となるIbizaクリームを開発しました。
デリケートゾーンに悩みをお持ちのお客様から徹底的にヒアリングを行った事もあり、5年で累計販売数100万本を突破する大人気商品にまで成長しました。
ワックス脱毛サロン、デリケートゾーン専用化粧品、下着、産後向け化粧品、女性の変身企画などを展開し、最後の年には年商12億円を超えるまで会社を成長させる事が出来ました。
M&Aを強く意識したのは、会社が大きくなり、組織として動いていかなけばいけないと感じ始めた事がきっかけでした。
質の高い商品やサービスに加え、素晴らしい従業員が揃っていたにも関わらず私達のマネージメント力が足りないが故に、これ以上会社を伸ばす事が出来ないのではないかと考えるようになりました。
それであれば、しっかりとした組織が既に出来上がっている会社に譲渡して、より良い会社になってほしいという思いで、2019年からM&Aを意識し始めました。
有難い事にM&Aに向けて動き始めてから、すぐに売却候補先が見つかったのですが、話を進めている途中でコロナ禍となり白紙の状態に戻った事もあります。
ただ、結果的にはコロナ禍でもEC分野の販売が堅調に進み、売上を伸ばし続けた事で企業価値を高める事が出来たと思っております。
最終的には、 (株)かがやくコスメ(現株式会社ウィルミナ)へ売却することに決めました。
選定理由として、組織がしっかりしている事や会社としての信頼性も高い為これまで私達が進出出来なかった領域への展開が可能だと思ったからです。
またファイブテイルズの強みであるEC分野を、かがやくコスメが求めており、お互いに補完しあって高い次元にビジネスを昇華できそうだと考え、売却することに決めました。
家族と自分自身の事を考え、アメリカ移住を決めて準備しています。
アメリカ移住後は今までと全く違う分野のキャリアを築きたいと考えており、大学に行って心理学か演劇の勉強をしようと考えています。
アメリカでチャレンジしたい事もありますが、未知の分野ですし、アメリカの文化も深くは理解していないので、まずは土台作りとして語学や専門知識を身に付けたいです。
ファイブテイルズを立ち上げた頃は、とにかくお金が無かったので利益とコストカットばかりを考えて経営をしていましたが、現在は以前に比べると余裕を持った状態で物事に取り組めるのは、M&Aをして良かったと思える点です。
心理学や演劇を専攻する理由としては、ファイブテイルズ時代にも行っていた女性の変身企画をドキュメンタリー番組として本格的に作りたいと考えたからです。
これまではヘア、メイク、ファッションなど外見のみの変化でしたが、今後は内面も含めたトータルプロデュースができるような番組の制作を目標に勉強していきます。
当たり前の事ではありますが、いずれM&Aを検討している方は書類や契約書の管理はしっかりやっておく事を強くお勧めします。
私は起業当初、財務状況が苦しく社労士や税理士を雇わずに経理や書類作成や管理など全て自分達で行っていました。その為、M&Aのデューデリの時には見当たらない書類があり苦労したので、管理を怠った自分を恨みました(笑)
私のこの反省を、M&Aを検討している起業家さん達が生かして頂けたら幸いです。
■五位尾氏のBlog&YouTube
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