浪岡大貴氏

譲渡企業:株式会社PIXEL HEARTS
  譲受企業:株式会社ACパートナーズ

お金ではなく技術を投資、新しいことへ挑戦し続ける

高校卒業後、大学に行かず中学からやっていたバンドでメジャーデビューを目指すが、インディーズデビューを果たす直前に音楽性の違いでバンドを解散。就職を考え、大量の面接を受けるが全て不採用になる。 そこで技術がなければ就職できないと考え21歳の時に独学でプログラミングを勉強する。その後、自分でWEBデザイン会社を立ち上げたいと考え起業。業務委託として大手企業、ベンチャー企業でのプロジェクトでエンジニア、デザイナーの業務やオンラインのプログラミングスクールの講師を経験し、自分と同じように、未経験でもプログラマーに目指す人をサポートできる会社として株式会社PIXEL HEARTSを立ち上げる。 2021年に株式会社ACパートナーズへ過半数の株式を売却し子会社化。 現在は株式会社PIXEL HEARTS 代表取締役、株式会社バズグラフ 取締役、株式会社ACパートナーズ パートナー、その他出資先企業複数社で外部顧問を兼任。

譲渡企業

会社名
株式会社PIXEL HEARTS
事業内容
SES事業部 クリエイティブ事業部(webサイト制作、webマーケティング)

譲渡内容

譲渡額
非公開
譲渡範囲
100%

EXITERの経歴

氏名
浪岡大貴
経歴
高校卒業後、大学に行かず中学からやっていたバンドでメジャーデビューを目指すが、インディーズデビューを果たす直前に音楽性の違いでバンドを解散。就職を考え、大量の面接を受けるが全て不採用になる。
そこで技術がなければ就職できないと考え21歳の時に独学でプログラミングを勉強する。その後、自分でWEBデザイン会社を立ち上げたいと考え起業。業務委託として大手企業、ベンチャー企業でのプロジェクトでエンジニア、デザイナーの業務やオンラインのプログラミングスクールの講師を経験し、自分と同じように、未経験でもプログラマーに目指す人をサポートできる会社として株式会社PIXEL HEARTSを立ち上げる。
2021年に株式会社ACパートナーズへ過半数の株式を売却し子会社化。
現在は株式会社PIXEL HEARTS 代表取締役、株式会社バズグラフ 取締役、株式会社ACパートナーズ パートナー、その他出資先企業複数社で外部顧問を兼任。

バンドマンからフリーランスのプログラマーへ

14歳からバンドをはじめ、学生時代は本格的にベーシストとしてバンド活動に取り組みました。
20歳の時、事務所からインディーズデビューのお話をもらいましたが、バンドマンあるあるの、方向性の違いにより解散しました。
バンド解散後、就職をしなければならないと思い立ち就職を目指しますが、20歳までバンド活動に精を出しすぎた結果、バンド以外のことは何もしていなかったため書類審査で不採用になる毎日でした。
その間はアパレルで1年半くらい仕事をしており、店長にならないかとお声がけを頂いたこともありましたが、母親がフリーランスのエンジニアをやっていたことや自身も興味があったもあり、エンジニアを志して勉強を始めました。
それからはアパレルの仕事をしながら、1日8時間の猛勉強を毎日行いました。
さらに就職の際の面接の武器となる制作実績を積むため、自分で仕事をとり、受託制作も始めました。
アパレルで働いていると時間が無くなってきたので、週3日の接客業の派遣の仕事をやりながら、フリーランスで受託制作に本腰を入れ始めました。
そんなある時、大阪の友人がフリーランスでファイナンシャルプランナーと保険の営業をやっているという話を聞き、現状の自分の話をしたところ「フリーランスでもいけるじゃん!」というアドバイスをもらい、派遣をやめてフリーランスで起業することを決意しました。

フリーランスで起業

フリーランスで起業を決意して一週間で準備をして起業しました。
最初の3か月は受託のみの生活で、月に20万円から30万円くらいの稼ぎを得ていました。
その後SESの仕事を引き受け、企業に出向して働きながら受託制作もこなし、着実に収入のスケールアップをはかっていきました。
ある時町の看板を作る会社から、自分の顧客に対してホームページの作成を請け負う事業をしたいので、ホームページの受託を受ける営業のやり方を教えてほしいと依頼がありました。
そこでホームページ請負サービスの営業のアドバイザーをする代わりに、受けた仕事を自分に回してほしいと交渉し、受託制作の仕事を大幅に伸ばすことができ、月に80万円以上稼ぐことができるようになりました。
半年くらいは堅調に進めることができていたころ、大阪から自分より1年前に上京した起業家の友人から、東京は大阪の8倍の市場があるという話を聞き、さらに上のレベルを目指して上京することを決意しました。

さらに上のレベルを目指して上京しましたが、いざ東京に出てくると思ったように仕事を受けることができず、オンラインのプログラミングスクールで講師として働くことでお金を稼いでいました。

そんなある時、知り合いの伝手で社長をやっている人に、プログラミングスクール講師をやっているということで興味を持っていただき、お会いしてお話を伺う機会がありました。
そこで、「SESとプログラミングスクールの講師の経験があるなら、未経験のエンジニア志望の人を集めてエンジニアを育て、SESを出向させる事業を始めてはどうか?」とお話を頂きました。
その社長から出資を頂ける話もあって、自分でSESの事業を始めることにしました。

株式会社PIXEL HEARTSの創業と3名の役員

会社が大きくなっていく過程の中で、ターニングポイントは現在の3名の役員が入ってくれたタイミングであると思っています。
創業後、しばらく一人でやっていたのですが当時の出資頂いた株主の方から、早くNo.2を作るようにアドバイスをもらっていたので、Facebookを駆使して色々な人へアプローチをかけていきました。
そこでやりたいと手を挙げてくれたのが今の副社長の國方です。
彼が入ってくれたタイミングが一つのターニングポイントでした。
良いことではなかったかもしれませんが、そのタイミングで15人いた社員が、会社のミッションバリューのズレなど色々と重なり、私と國方の2名になってしまいました。

その後國方と一緒に採用活動や社内の状況を再度見直し、広告媒体なども積極的に打つことで、1年で10名まで増やし、立て直すことができました。
このタイミングで採用したのが現在の当社の開発部門責任者の飯村で、彼が入ったこともまた一つ、会社にとってのターニングポイントとなりました。
飯村がいることで、会社は常に雰囲気がよくなり全体としての士気が上がっていくのを実感しました。

最後に、営業部門の責任者の関口が入ってくれたことで、これまで私が一手に引き受けていた案件の割り振りや、採用の部分を任せることができたので人員は一気に増えましたし、私自身も社長業に専念できるようになりました。

自社の強み

当社では未経験からエンジニアを目指せる教育制度を取り入れております。
多くの企業では、育成の際に細かく教えることがほとんどですが、それでは実務において全く同じタスクがでない限り、挫折してしまうことが多くありますが、当社では与えられたタスクをどのようにこなすかの、「方法」を考える所に重点をおいて、カリキュラム作成を行っています。
これは私が独学で勉強していたときの体験をベースとしており、当社のエンジニアが未経験から活躍できるようになれる理由です。

また、他のSESでは出向会社を選べなかったり、自分の給料が案件に対してどれくらいの割合で設定されているのか不明瞭だったりしているそうですが、当社では創業当初から出向会社は選べましたし、SESの給料は案件単価に対して60%~65%と決めており、それを明示しておりました。
このような明瞭な環境のSESは求人を集める上でも強みになると考えていますので、現在も採用活動でプッシュしている点です。

市場自体もエンジニア不足から仕事の獲得にもあまり困りませんし、当社には働きたいエンジニアがいるので、その需要と供給の点と点を線でつなぐだけのため、ビジネスとしては非常にやりやすい環境にあると思っています。

M&Aプロセス

M&Aを検討した理由としては、大きく2つの理由があります。

当社のミッションはあくまで未経験からエンジニアを創出することです。
しかしながら、エンジニアになれるかどうかは運次第のような部分が大きくあります。
その運を高めるために教育だったり、働き方のレクチャーだったり、カリキュラムが存在するのですが、それでもエンジニアになれる確率は定数ではなく変数です。

そこで考えたのが、社内で受託制作をやっていればその仕事ぶりから社員の能力が適切に把握できるのでエンジニアになれる確率が格段にあげることができるのではないかということです。
社内で受託制作をやらせて実績を作ってもらってから出向させる、という仕組み作りをしたいと思ったことが1つ目の理由です。

2つ目の理由としては、単純にSESの事業だけで終わりたくなかったというところです。
自分たちでサービスを作ることで、働くエンジニアのモチベーションも上がる上に、会社としてもサービス提供ができるので売上向上につながります。
会社をスケールさせて自社サービスを展開したいという思いから、売却を行うことにしました。

売却を決めてから1年半で20~30社と面談をしました。
その中で株式会社ACパートナーズを選定した理由としては、ACパートナーズが事業会社ではなく投資会社であるという点です。

元々は事業を作ろうと思っていましたが、やはり事業を作るとなると非常に大きな労力がかかります。
しかし、ACパートナーズが出資しているスタートアップの事業でエンジニア不足が発生した場合、当社のSESを送り込むことで、事業を作らずとも自分たちのやりたかったことがスムーズにできそうだなと感じました。

次なる挑戦

最終的にはCTOレベルのSESを企業へ送り込むような、そんな会社を作っていきたいと思っています。
高いレベルのSESを育てることで、スタートアップがお金をかけずに技術力をあげていけるようにしていけたらと考えています。
また、ACパートナーズのグループ会社になることで、ベンチャーへの投資活動も行うことができるようになったので、我々はお金ではなく「技術の投資」をSESを通じて行える、そんな事業展開を目指しています。

M&Aを考えている起業家へのアドバイス

売却先の企業に対して、自分たちはなぜこの会社と一緒に経営をしていきたいと思うのか、という部分の判断基準をしっかりさせておくことが大切です。

私自身は目先の売却益よりも、会社を大きくするための売却であると考えていたので、この会社とシナジーを生めるかどうか、理想の働き方ができるかどうかを判断基準に据えました。
お金も確かに重要ですが、その他にも大切なことは多くあるので、どうして一緒にやっていいきたいと思うのかをよく考えて売却を検討してみてください。

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